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最近、徒歩キャンプに興味が出てきました。
駅や新幹線の中で酒を飲みながら、駅弁を食べながらキャンプ場へ向かう。そして着いたら地べたキャンプをしながら、焚き火との距離感を楽しむ。そんなキャンプもいいなと思い始めました。
しかし始めるにはギアが足りません。一気に買うなんてもってのほか。
そこで目をつけたのがバックパックでした。愛用してたミレーもちょっとヘタってきた(言い訳)し、お金は無限じゃないので、普段遣い兼用で買うならアリでは?
そうだ、通勤にも使えるのを併用すれば予算それなりにあげられるんじゃね?
その結論に至る前に、いま使っているものと、その不満から書きます。
今使っているバックパック ミレー EXP 20+
いま使っているのはミレーの EXP 20+ です。20Lに8L分の拡張がついていて、この拡張性もあって結構気に入っていました。悪いリュックではありません。
普段はこれで通勤しています。社用PC、社用スマホ、充電器セット、小物類、水筒。これを全部入れて背負います。
しかし、それなりに重いものを入れるとずっしりと肩に重みが来ます。長時間背負うには厳しい。通勤がとにかく辛いのです。
2年半使って薄汚れてきたのもあって、次を考え始める言い訳に良さそうです。
比較対象として出したいから、ミレーの基本スペック調べてきて。
公式サイトにもヨドバシにも記載がなく、本体重量が取得できませんでした。
Amazonに書いてあるじゃん。
見に行っていないだけでした。この調子で進みます。
| 項目 | ミレー EXP 20+ |
|---|---|
| 容量 | 20+8L |
| 重量 | 890g |
| 素材 | コーデュラ®ナイロン |
| 対応PC | 17インチまで |

ミレー EXP 20+(現在使用中)
買い替えるための言い訳を探す
そこへ徒歩キャンプへの興味が重なります。私はさっそく考えました。
徒歩キャンプもカートと荷物を分散したら、通勤リュックでも併用できるんじゃね?
併用できるなら、キャンプ専用のギアを1つ買うのとは話が変わります。毎日使うものになるので、予算もそれなりに上げられる。 これはいい理屈を思いつきました。
荷物をカートに逃がすと、リュックに求めるものが変わる
徒歩キャンプの荷運びは、リュックひとつでは完結しません。キャンプ道具はカートに載せて、リュックには別のものを入れる。考えているのはこの形です。
カートはまだ決めていません。アウトドアワゴンは移動時の取り回しが悪いので、スーツケースか、2輪で倒して引くタイプを考えています。ここは別の回で詰めることになります。
そのうえで、リュックに入れるものをこう決めました。
- PC
- カメラ
- 充電系一式(モバイルバッテリー含む)
- レインウェアや傘
- 貴重品
- 羽織もの1枚
分け方の基準は「すぐ使うかどうか」です。移動中に取り出す可能性があるものはリュック、そうでないものはカートへ。冬の着替えのようにかさばるものは、圧縮するかカート側に逃がせばいい。
この前提がずれていると、こうなります。
冬の着替えとPCとカメラを収めるなら、容量は25〜30Lに引き上げたほうが現実的かと思います。
着替えは圧縮するか逃がすって言ったよね。すぐに使わないものは逃がせるんだよ。
着替えをリュックに入れる前提で計算すれば、当然そうなります。でも逃がす前提なら20L台前半で足りる。荷物の役割分担を決めないまま容量を考えると、必要のない大きさに膨らみます。
カメラはクッションケースに入れて運ぶつもりです。首から掛けて歩く場面もあるので、カメラ専用の仕切りがあるリュックである必要はありません。ケースごと収まる容積があれば十分です。
こうして条件が固まりました。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 容量 | 20L以上 |
| PC | 15インチのMacBook Airが入ること |
| 予算 | 4万円くらいまで |
| 最優先 | 普段遣いの快適性 |
肩にくるのは、容量の問題ではなかった
そもそも、なぜ肩に来るのか。調べてみたら、バックパックの荷重分散は2段構えになっているそうです。
荷重の逃がし方について補足しますね。
背面にフレームが入っていると、荷物の重さが肩だけでなく背中全体に分散します。これが1段目。そしてヒップベルトがあれば、重さの大部分を腰で支えられるので、肩への負担が大きく軽減されます。これが2段目です。
つまり本気で肩を守ろうとするなら、腰に落とすのがいちばん効く。
ただ、私はヒップベルトを付けるつもりがありません。毎日の通勤で使うことを考えると、見た目がかなり本格的な登山寄りになるからです。胸のあたりで留めるバックル、いわゆるチェストストラップくらいまでが許容範囲です。
ヒップベルトは本格的すぎて、通勤ではちょっと。。
ということは、2段目は最初から捨てているわけです。使えるのは1段目、背面の作り込みで背中に散らすところまで。ここは受け入れたうえで探すしかありません。
では「軽くすれば解決するのでは」という手はどうか。
これが使えません。PCとカメラは減らせない。この2つが荷物の重さの中心にいて、しかもどちらもリュックから外せない。着替えのかさは減らせても、かさが減るだけで重さはほとんど変わらないのです。
軽量化で逃げられない以上、勝負は「同じ重さをどう背負うか」の一点。 つまり背面とショルダーの作り込みだけが残りました。
候補を6つ並べたら、4つが落ちた
条件が決まったので、候補を並べてみました。ヒップベルト付きのモデルも、優先度は下げつつ一応見ています。
Rab Syclon XP 30
30Lで810g、¥28,600。背中のムレ対策をしたうえでこの軽さは秀逸です。
ちなみに、いま使っているミレーは20+8Lで890g。容量が2L大きいのに、80g軽い。
ただ、開き方がロールトップでした。中身へのアクセスが面倒そうだったので除外しています。
Rab Syclon XP 30
Remote Equipment Alpha 31
31L、最大34Lまで拡張可能。X-Pacを使っていて、取り外し可能なヒップベルトとフレームシートを内蔵しています。背面に板状のフレームシートが入っているのは、候補の中でこれだけでした。
落ちた理由は価格です。黒が$399、シルバーが$499。日本円だとおよそ6万円と7万5千円(執筆時点の為替)で、予算の4万円を大きく超えます。
ARC’TERYX ブレード28
28L、1,450g。熱成形バックパネルでクッションとサポートを持たせていて、15インチPCポケットとタブレットポケットがあります。
これはAmazonの商品ページに寄せられたレビューが決め手になりました。「肩ストラップが細く、重量物は運ぶのが困難」「ベルトが細く薄く、荷物が重めの時は肩が痛くなる」「パソコンや着替えなど出張道具一式を入れると流石に肩にきます」。
私がいま抱えている状態が、そのまま書かれていました。 重い部類のモデルでこれなら、私の目的とは逆を向いています。
ARC’TERYX グランヴィル25
25L、¥39,600。15インチまでのPCを吊り下げ式のスリーブで保持する構造で、底から数センチ浮くのでバッグを床に置いたときの衝撃がPCに伝わりにくい。背面はエアロフォームバックパネル、ドット状の凹凸で背中との間に空気の流れを作る作りです。
条件にはよく合っていました。落ちたのは、決め手を欠いたまま公式サイトが在庫切れだったからです。買えるものを探しているので、ここで止まりました。
ARC'TERYX グランヴィル25 バックパック
残った2つは、どちらもAble Carryだった
落ちなかったのは、Able Carryの2モデルでした。Daybreaker 2 と Daily Plus です。
最終候補のバックパックは素材が何種類かありました。各バックパックの素材の価格差は以下のとおりです。
| Daybreaker 2 | 価格 |
|---|---|
| Cordura Ripstop | ¥26,400 |
| X-Pac | ¥33,000 |
| Daily Plus | 価格 |
|---|---|
| Cordura | ¥30,800 |
| Ballistic | ¥37,400 |
| X-Pac | ¥38,500 |
同じモデルでも、素材によって6,600円から7,700円変わります。では何が違うのか。
3つの生地の違いを補足しますね。
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| コーデュラ | 通常のナイロンの約7倍の強度とされる。500〜1000Dの帯で使われ、軽くしなやか |
| バリスティックナイロン | 通常のナイロンの約5倍の強度とされる。1680〜2100Dの太い糸を使い、摩耗に強い |
| X-Pac | 4層を貼り合わせたラミネート生地。内部のフィルムが水のバリアになる |
X-Pacだけ成り立ちが違います。210Dのナイロン表地、薄いポリエステルフィルム、22度の角度で入る補強糸、50Dのポリエステル裏地の4層構造で、表面に見える斜めの格子模様がその補強糸です。
そしてコーティングではなく、層構造そのもので水を止めています。 生地のレベルで防水になるということです。
徒歩キャンプでは駅からキャンプ場まで、移動の途中で降られることがあります。突然の雨にも強そうなX-Pacに決めました。
X-Pac版どうしを並べるとこうなります。
| Daybreaker 2 | Daily Plus | |
|---|---|---|
| 価格 | ¥33,000 | ¥38,500 |
| 容量 | 25L | 約21L |
| 重量 | 690g | 約1,230g |
| 対応PC | 15.6インチ | 最大16インチ |
| ヒップベルト | なし | なし |
| チェストストラップ | あり | あり(隠せる) |
差は5,500円、4L、そして540g。ヒップベルトなし・チェストストラップありという私の条件は、どちらも満たしています。この軸では差がつきませんでした。
引き算のDaybreaker 2
Daybreaker 2 は、25Lで690g。候補の中でいちばん軽いモデルです。
軽さの作り方が徹底しています。必要最低限の機能に絞り込むことで重量を削り、無駄のないシルエットにまとめている。背面も、内側のライニングを省いてX-Pacの裏地をそのまま露出させる作りになっています。
面白いのは、削っていい場所と削ってはいけない場所を分けていることです。ショルダーハーネスは削っていません。レビューでは「軽量設計のDaybreaker 2も大容量モデルに近いクッション性と反発性の高い幅広ハーネスを採用している」と書かれています。
さらに、ショルダーストラップがバッグの底面まで伸びてA-Frame構造を作っています。これによって、薄めのストラップでも上位モデルと同等の安定感が出ているという評価です。
耐久性も評価が高く、3年以上ハードに使ってもハーネスやファスナーに劣化が見られないという報告があります。2年半で買い替えの言い訳を探している私には、耳が痛い話です。
惜しいところ
夏の背中が熱くなりやすいという指摘があります。背面パッドが薄く、外装と同じ素材が使われているためです。3Dメッシュも入っていません。移動中はずっと背負う前提なので、ここは気になります。
そして自立しません。縦長のシルエットで底面の接地面積が小さいため、荷物の量や入れ方によっては倒れやすい。安定して立たせるには工夫が要るそうです。
メインコンパートメントのジッパーも、片側だけ下まで下りない仕様になっています。底のほうに入れたものを取り出すには、詰め方を考える必要があります。
ABLE CARRY Daybreaker 2(X-Pac)
足し算のDaily Plus
Daily Plus は21Lで約1,230g。Daybreaker 2より540g重く、容量は4L小さい。数字だけ見ると分が悪いのですが、中身が違います。
背面はA-Frame構造で、強化された肩パッドと、スリット加工された背面クッションを組み合わせています。ショルダーストラップはクッション性の効いた幅広タイプ。レビュー動画では、十分なクッションと絶妙なサイズ設計により業界でもトップクラスの背負いやすさを実現していると評価されています。長時間背負っていても疲れにくい、とまで言われている。
肩の重みをどうにかしたい私にとって、この評価は無視できません。
デザインの考え方も独特です。機能を追加しても、パッと見ではそれとわからないほどバッグ全体に溶け込ませる。機能のために見た目を犠牲にしない、という方向です。
実用面では、中身がある程度入っていれば地面に置いても倒れません。底面のクッションも厚く、直接置いても安心できる作りです。駅や道中で地面に置く場面はありそうなので、ここは効いてきそうです。
雨に対しては、開口部が強い作りです。ファスナーが全てYKK製の止水ファスナーになっています。
生地はどちらもX-Pacなので防水は同じです。差が出るとすれば、生地を抜けてではなくジッパーの隙間からになります。
PCも16インチのMacBook Proがぴったり入るサイズで設計されているので、15インチのMacBook Airには余裕があります。
惜しいところ
PCの出し入れにコツが要ります。メインコンパートメントのジッパーの開き方と、PCポケットの角度に約30度のギャップがあるため、取り出すときに上部の布を避けるような動作が必要になるそうです。
ボトルポケットも気になります。フロントパネル側に配置されているので、厚みのあるものを入れているとメインコンパートメントを大きく開くときに干渉します。
上部のポケットは、セキュリティが高い反面ちょっとタイトです。AirPodsのような厚みのある小物を頻繁に出し入れするには少し使いにくく、パスポートのような貴重品を入れておくのに向いているとのこと。これは私の使い方だと、むしろ都合がいいかもしれません。貴重品はリュック側と決めているので。
ABLE CARRY DAILY PLUS(X-Pac)
背負いに行ってきた
店頭へ行って、両方を背負ってきました。
Daily Plusは、たしかに背負い心地が良かったです。 背中に当たる部分がしっかりしていて安心感がある。重い分、中に入れたものを守るクッションにもなっている。ポケットが多いので取り回しもしやすそうでした。
何より、肩に当たるパッドがDaybreaker 2より肉厚です。これは痛くなりにくそうだと思いました。
ところが、店員さんの話は違いました。
Daily Plusはそもそも重いので、背負ったときの「軽さ」が際立って感じられる。そしてDaybreaker 2も同じA-Frameを採用しているので、背負い心地そのものは大きくは変わらない。
つまり私が感じた背負い心地の良さは、構造の差ではなく、重いものが軽く感じられたことへの驚きだった可能性があります。
そして荷物を入れたときの負荷のかかり方でいえば、そもそも軽いDaybreaker 2が有利ということになります。


選んだのはDaybreaker 2
ここまでの書きぶりだと、Daily Plusを選ぶと思われたかもしれません。背負い心地がいい、肩パッドが厚い、安心感がある。褒めてばかりです。
でも私が選んだのはDaybreaker 2でした。

軽さは正義。
中身の保護はバッグインバッグで替えがききます。ポケットが足りなければポーチを足せばいい。でも根本的な軽さだけは、あとから替えが利きません。 690gの本体を1,230gにすることはできても、その逆はできない。
しかもこの軽さで、肩パッドはちゃんと肉厚です。削る場所と削らない場所が分かれている、というのは実物でも確かめられました。
決め手は店員さんのこの言葉です。長時間背負ったときの背負い心地は、そもそも軽いほうが有利。(諸説あります)
届いたので、細かいところを見ていきます。
ループは各所に配置されています。カラビナはループではなく、側面のジップポケットの中に1つ付いていました。鍵などを留めておくためのものだと思います。
こういうの付いてても、使ったことないんだよなあ。
そして、いつも通勤に持っていくものを並べてみました。

MacBook Air、サングラスケース、充電器兼モバイルバッテリーとコード類のポーチ、ペンケース、薄手の羽織りもの、などなど。25Lなので、これくらいは余裕で入ります。
まとめ
徒歩キャンプのために、普段遣い兼用のバックパックを探した記録でした。
- 荷物の役割分担を先に決める。 キャンプ道具をカートに逃がせるなら、リュックは20L台前半で足ります。分担を決めないまま容量を考えると、必要のない大きさに膨らみます
- 軽量化で逃げられないなら、勝負は背面とショルダー。 PCとカメラは減らせません。同じ重さをどう背負うかの一点に絞られます
- ヒップベルトを使わないと決めた時点で、荷重分散の2段目は捨てている。 背中に散らすところまでが上限だと理解したうえで選ぶことになります
選んだのは ABLE CARRY Daybreaker 2(X-Pac)。25Lで690gです。
店頭で背負った第一印象は、Daily Plusのほうが良く感じました。重い荷物を運ぶ日が多い方や、中身の保護を重視する方には、そちらのほうが向いていると思います。 私は「軽さは替えが利かない」を取っただけです。
徒歩キャンプ用のギアでいうと、コーヒーまわりはすでに1軍候補が決まっています。
次はカートを決めます。アウトドアワゴンは移動の取り回しが悪いので、スーツケースか2輪で倒して引くタイプか。ここが決まらないと、リュックに何を逃がせるかも最終的には固まりません。
そして装備がそろったら、実際に徒歩キャンプへ行ってきます。兼用できるのかという問いの答えは、そこで出ます。 第二回、実践編でお会いしましょう。




