「YOKA SHICHIRIN++」の存在を知ったのは、クラウドファンディングのページで見かけたときでした。その後もCAMP HACKなどの記事で何度か見かけて、気になったまま心の片隅に置いていたのですが、買うタイミングをずっと逃し続けていました。

そんなある日、アルペンに立ち寄ったらまさかの実物と遭遇。気づいたらレジに並んでいました。

七輪は昔から使っていて、家でも焼肉用に使っていたくらい馴染みのある道具だったのですが、「灰がこぼれない」「着火・消火が本体だけで完結する」という構造は、これまでの七輪とは別物に見えました。今回は初回レビューとして、開封から実際に使ってみた感触までをまとめます。

基本スペック

項目内容
製品名YOKA SHICHIRIN++(ヨカシチリン プラスプラス)
ブランドYOKA(運営:株式会社トゥエルブトーン)
価格19,900円+税
材質ステンレス
サイズ245×245×H197mm(収納時)/245×245×H230mm(使用時)
重量約2.9kg(本体・蓋・コア・チャコールスターター・脚を含むセット全体)
セット内容本体・蓋・コア・チャコールスターター・脚
製造中国製

なぜYOKA SHICHIRIN++を選んだか

七輪は昔から馴染みのある道具でした。家でも焼肉でよく使っていたので、珪藻土(七輪の素材によく使われる、断熱性の高い土)製の七輪が抱える面倒さもよく分かっています。火起こしに手間がかかる、灰がこぼれる、消すときは火消し壺に移動しなきゃいけない。

そんな中で気になっていたのがYOKA SHICHIRIN++でした。クラウドファンディングの頃からずっと気になっていて、取り回しが良さそうに見えていたんです。今回アルペンで実物を見かけたのが、最後の一押しになりました。

検討した競合もありました。珪藻土製の「黒七輪」をメインに展開するガレージブランド「KURONOS(クロノス)」です。

KURONOSの黒七輪 画像出典:KURONOS

格好いい七輪ってだけで十分に魅力的でした。KURONOSは日本産の珪藻土を職人が一つひとつ手作りしているブランドで、ミニ黒七輪5号(8,980円)から黒七輪9号(11,980円)、角型ワイド(19,996円)まで幅広いサイズを展開しています(価格はすべて税込)。

ただ、KURONOSはあくまで珪藻土製の七輪。今使っている七輪から乗り換えるほどの決定的な違いは感じられませんでした。一方でYOKA SHICHIRIN++はステンレス製で丸洗いできる、蓋付きで消火できるなど、既存の七輪といろいろな点で構造が異なっています。純粋に試してみたい。そう思ったのが選んだ理由です。

セットアップレビュー

外箱には「YOKA SHICHIRIN++」のロゴが入っています。

外箱

箱の裏面には着火・消火・再着火の手順がイラストで説明されています。

箱裏面の説明図

中身を取り出すと、ちゃんとした収納袋が入っていて好印象でした。サイズ感は2〜3人で使うのにちょうど良く、ステンレスの質感もツルツルとしていて高級感があります。

収納バッグ

本体を取り出すと、2段の網と緩衝材に包まれた炭かご(コア)が入っていました。

開封時の網とコア

組み立てもすんなりできました。

組み立てた状態

着火も、下に着火剤を置き、その上に炭を入れたコアとチャコールスターター(炭の着火をサポートする付属パーツ)を置くだけ。それだけで簡単に火がつきました。

炭を入れて着火直後

使用後の収納も、洗わない場合は灰を捨てて蓋を被せるだけです。これで灰が漏れる心配もなく、さらに収納袋に入れればより安心。片付けの手間が少ないのは助かるポイントです。

使ってみてわかったこと

側面に空気孔がない構造のため、風には結構強い印象でした。

使用時は蓋を下に置き、その上に本体を置く形にしていました。これでテーブルへの熱の心配もなく、安心して使えました。

蓋を閉じた状態

2段の網のうち、上段で串焼きを試しました。鶏肉とネギの串を並べて焼きました。

上段で串焼き

串焼き調理中(別アングル)

下段は上段よりも少し火力が弱めな印象で、じっくり焼きたいものに向いていそうです。今回は上段の串焼きだけでしたが、次回は上段でアヒージョ、下段でバゲットを焼いてみようと思っています。

当日は夜まで使い、翌朝の様子も撮っていました。

夜の串焼きの様子

翌朝の網と炭

気になった点

使用後、シェル(本体)の内側に焼き鳥の油による変色ができていました。

シェル内部の様子

シェルとコアを並べた状態

加工自体にバリなどの粗さはなく、仕上がりは良好でした。使っていれば汚れるのは仕方ないことだと思っています。

コア(炭かご)のクローズアップ

珪藻土の七輪は基本的に洗えないので、そう考えるとYOKA SHICHIRIN++が丸洗いできるのはむしろメリットです。ただ、洗えるからこそ「使えば汚れが残る」という実感を持ったのも事実で、メンテナンスをまったくしなくていいわけではない、という点は押さえておきたいところです。

YOKA SHICHIRIN++のここがすごい

YOKA SHICHIRIN++を作ったYOKAは、「休日を最高のものにする」をテーマに2015年に旗揚げしたアウトドアブランドです。最初は木製の家具からスタートして、2018年には折りたたみ式の焚き火台、2019年にはテントや調理道具も展開。デザイナーの角田崇氏が自社オリジナルデザインにこだわり、試作と使い込みを繰り返して製品を仕上げてきたブランドだそうです。

YOKA SHICHIRIN++は、クラウドファンディング「Kibidango」で約2ヶ月間に支援者1880人・支援総額3,200万円超を集めて一般販売が始まった製品です。江戸時代から構造が変わっていなかった七輪に対して「空気穴を無くす」「蓋付きにする」「炭をかごに入れる」「ステンレス化」「網を2段にする」という5つの変更を加え、開発側はこれを「400年ぶりのアップデート」と位置づけています。

側面の空気孔を無くした分、空気はどこから入ってくるのか。公式サイトの図によると、底面の2か所から吸気して炭の中心部に空気を送り、上に向かって熱を放っていく仕組みになっているようです。中心は炎が立つ「カリッと焼けるゾーン」、その周りは輻射熱だけが届く「じっくり焼けるゾーン」と、1台の中に焼き加減の違うエリアができる作りです。

YOKA SHICHIRIN++の構造図 画像出典:YOKA

製品名の「++」は、プログラミングで「左の変数に1を足す」という意味の記号。「七輪」が「八輪」「九輪」とバージョンアップしていくイメージで名付けられたそうです。

「400年ぶりのアップデート」というキャッチは大げさにも聞こえますが、実際に使ってみると、着火から収納までの一連の作業が本体だけで完結する取り回しの良さは、確かにこれまでの七輪とは別物だと感じました。

総合採点

項目点数コメント
使いやすさ★4.5/5着火・収納(消火)が本体だけで完結し、取り回しが良い
火力・加熱性能★4.5/5串焼きの火力は十分で、風にも強い
耐久性★4/5まだ分からないが、ちょっとやそっとでは壊れなそうな作り
コスパ★3/5一般的な七輪と比べると高価。価値はあるが悩ましい価格帯
デザイン★4/5ステンレスの質感に高級感がある
総合★4/5

総括

面白いものではあるけど無理して買うものでもない。私は好き。

ホームセンターで売っているような一般的な七輪であれば、もっと安く手に入ります。YOKA SHICHIRIN++に痒いところに手が届く工夫が詰まっているのは確かですが、「安いか」と聞かれると即答しづらい価格帯です。

それでも、着火から収納まで本体だけで完結する取り回しの良さ、丸洗いできる清潔さは、実際に使ってみて納得できるものでした。

今回は初回レビューなので、使い続けて変化があれば追記していきます。