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タープを立てるのが、正直めんどくさい。

メインポールを立てて、サブポールを足して、四方八方にガイロープを張って、ペグを何本も打って……。この工程がめんどくさくて、タープの出番は正直少なめです。

そんなときにCAMP HACKの記事で見かけたのが、DVERG(ドベルグ)の「NEUK(ヌーク)」です。メインポール2本とペグ4点だけで立ち上がるという、ちょっと信じがたい構造のタープでした。

実は、この「ペグを打ってポールを立てれば形になる」タイプ自体は前から気になっていました。以前、MOBI GARDEN(モビガーデン)の「キャンプバタフライオーニング」という名前で似たようなタープを見かけたことがあって(ただ、いま探してもAliExpressのページくらいしかヒットしないのですが)、そのときからこの手の構造には惹かれていたんです。当時は買いませんでした。サイズ感と形が、自分には少し使いづらそうに見えたので。

それを、今回はDVERGという日本のブランドが出してきた。しかも好きな色味のブラック。これは調べるしかない。

なお、私はまだ買っていません。「欲しい。でも高い」の間で揺れて、欲しいものリストに入れたまま眺めている段階です。だからこの記事では、紹介記事を読んだだけでは分からなかったこと——「ペグ4本」の但し書き、区画サイトに収まるのか、遮光と遮熱の違い、そして4万円台の中身——を、Edamame的な目線で考えてみます。

ペグ4ヵ所とポール2本で立つ、という発明

DVERGは、2019年にデビューした福井県発のアウトドアブランドです。ブランドコンセプトは「自然界の目線へ」。NEUKは、メディアの記事でDVERG初のオリジナルタープとして紹介されている一枚です。

普通の大型タープは、メインポール2本にサブポール、そして大量のガイロープとペグで支えるのが一般的です。だからこそ設営に手間がかかるし、張り綱が四方に伸びてサイトがごちゃつきます。私がタープを敬遠していた理由も、ここにありました。

NEUKは、この常識を独自のテンション設計でひっくり返しています。どれくらい違うのか、一般的なヘキサタープと並べるとこうなります。

一般的なヘキサ型とNEUKの比較図。ヘキサ型はガイロープ6本・ペグ8本に対し、NEUKはガイロープ4本・ペグ4本 画像出典:DVERG

ヘキサ型がガイロープ6本・ペグ8本のところ、NEUKはガイロープ4本・ペグ4本。しかもメインポールには張り綱がいりません。公式サイトはこれを「構造からシルエットまで、異端とも言える存在感」と紹介しています。自分たちで”異端”と言い切るコピーも含めて、攻めた一張りです。

NEUKを正面から見た張り姿。2本のメインポールがロープなしで立っている 画像出典:DVERG

正面から見ると、ポールにガイロープがありません。

スペックまとめ

公式サイトの情報を整理します。

項目内容
サイズ650cm × 650cm
想定人数2〜6人
重量約6.8kg(付属品含む)
生地150Dポリエステル・リップストップ
コーティング表:PUコーティング(耐水圧4000mm以上)/裏:ブラックコーティング
ポール280cm連結式(70cm×4本)× 2本付属
カラーブラック
付属品ガイロープ2本、収納袋、タイダウンベルト(鉄製バックル4個)
価格メーカー希望小売価格 ¥46,200(税込)

生地の「150D」の「D」はデニール(糸の太さの単位)のことで、数字が大きいほど生地は厚く丈夫になる代わりに、重くなります。オートキャンプ用のテントでは68D〜210Dあたりが一般的とされているので、150Dはしっかり厚めの部類です。

設営手順は「①4ヵ所ペグダウン → ②ポール立ち上げ → ③ベルト・ロープ調整 → ④シワ取り」の4ステップ。メディアの記事によると、慣れれば約10分で設営できるそうです。

高さを変えると表情が変わる

ポールは70cm×4本の連結式なので、つなぐ本数で高さを変えられます。

  • 4本連結(280cm):視界が開けた開放的なスタイル
  • 3本連結(210cm):外からの視線を遮る、おこもり感のあるプライベートスタイル
  • 2本連結:さらに低いスタイルに。メディアの記事では、メインポールを1本だけにしてダイヤモンド張り風にするアレンジも紹介されていました

低く張った状態のNEUK 画像出典:DVERG

さらに6ヵ所のグロメット(ハトメ)を備えていて、サブポール(別途用意)を差し込めばアレンジの幅が広がります。「開放的に使いたい日」と「囲まれた空間にしたい日」を、ポールの本数だけで切り替えられるのは面白そうです。

「ペグ4本で立つ」には但し書きがある

さて、ここからが本題です。紹介記事のキャッチだけでは分からなかったことを確かめていきます。

まず、いちばん惹かれた「ペグ4本」の話。公式の説明をよく読むと、こう書かれています。天候や状況に応じて、メインポールに付属のロープを追加してください——つまり「ペグ4本・ロープ4本だけ」はあくまで通常時の話で、風が強い日には付属のメインロープを足して張るのが前提です。

もうひとつ。ペグは付属しません。しかも4点のテンションだけで幕全体を支える構造上、1点にかかる負荷は大きくなるはずで、公式も安全のため40cm級のペグを推奨しています。手持ちの細いペグで済ませるのは不安が残るので、本体に加えてペグへの追加投資も見込んでおく必要があります。

タイダウンベルトと鉄製バックル、グロメット部分の接写 画像出典:DVERG

とはいえ、この但し書きを差し引いても「通常時はペグ4本+ポール2本」が楽なことに変わりはありません。ヘキサ型のペグ8本・ロープ6本と比べれば、打つ数は半分、張る数も減ります。設営が楽になれば、それだけで持ち出す回数が増えるかもしれない。私にとっては、そこがいちばん大きい。

いま使っているのは、フリマで手に入れた安いタープです。遮光性も広さも必要十分で、不満というほどではありません。ただ、一般的なタープの立て方に、たまに煩わしさを感じていました。NEUKは、そのタープを置き換える候補になりそうです。

6.5m四方、うちの区画に入る?

次に確かめたかったのが、大きさの現実です。幕体は6.5m×6.5m。数字だけだとピンときませんが、公式の写真を見るとこうです。

広角で捉えたNEUKの全景。幕の四隅から張り綱が外側へ伸びている 画像出典:DVERG

かなり大きい。そして四隅の張り綱が幕体のさらに外側へ伸びるので、写真から見るに、実際に必要な設営面積は幕体より一回り大きい8m四方くらいは見ておいたほうがよさそうです。10m×10mの区画サイトなら余裕を持って張れそうですが、8m×8mクラスの区画だとテントと並べる配置はかなり工夫がいると思われます。フリーサイトなら気にせず張れますが、区画サイトが多い関東圏では、予約前にサイトサイズの確認が必須になりそうです。

私の一軍テントであるBRUNSKYLE TF1740をこのタープに合わせようと思うと、確実に区画サイトじゃスペースがたりません。フリーサイトで広々張るか、区画サイトで張るなら使うテントは考えなければいけないでしょう。

使い方として私が考えているのは、ナイトローバーを寝室にしてタープの下に半分入れちゃうことです。タープは十分に広いので、テントを中に入れても十分リビングのスペースを確保できます。これによって区画サイトでも十分使うことができます。とはいえ10×10mあったほうが安心な大きさなので、ソロには贅沢すぎる区画サイトを取る必要があるのですが。

重量も約6.8kgあるので、オートキャンプ前提のギアと考えたほうがよさそうです。

遮光はする。で、遮熱は?

もうひとつ、調べる前に引っかかっていたのが、夏の暑さ対策としての性能です。

最初、私は「裏面が黒くコーティングされていないと、日差しの下では暑いのでは」と思っていました。ところが公式サイトを確認すると、「耐水圧4000mm以上の撥水性と、裏面ブラックコーティングによる強力な遮光性を実現しています」と明記されていました。裏面のブラックコーティングは、しっかり施されているわけです。ここは私の勘違いでした。

しっかり遮光されていれば日差しそのものを遮れるので、日向にいるよりだいぶマシになるのは間違いなさそうです。濃い日陰を作れる幕として、夏の快適性は十分期待できると思います。

ここで少し用語の整理を。「遮光」は目に見える光(可視光線)を遮ること、「遮熱」は熱のもとになる熱線(主に近赤外線)を遮ること。名前は似ていますが、実は別の性能です。

NEUKの裏面ブラックコーティングのような黒い膜は、表から入ってきた光を裏面で止める方式で、可視光線だけでなく赤外線や紫外線の透過も抑えるとされています。つまり、しっかり遮光できていれば熱線もある程度は防げる理屈です。ただ、NEUKの公式説明にあるのはあくまで「遮光」で、「遮熱」の明記はありません。

最近は遮熱を正面から謳う幕も出てきていて、たとえばスノーピークの「2レイヤータープ ラーグ Pro.」は、近赤外線を吸収する素材を練り込んだ生地と、二重幕のあいだの空気の流れで熱を逃がす方式とされています。そうした遮熱特化の幕と比べてどうなのかは判断材料がないので、日陰としての涼しさは期待しつつ、真夏の炎天下での快適さの度合いは、実際に使ってみないとわからない部分だと思っています。

¥46,200の中身を、AIに分解してもらった

最後に、最大の悩みどころです。

メーカー希望小売価格は¥46,200(税込)。正直に言って、私にはかなり高い。この価格を前に、購入ボタンを押せずにいます。

欲しい! けど高い! この価格の根拠はどこにあるんだろう……

AI

公式情報から、この価格に含まれているものを分解してみますね

NEUKの付属品一覧。幕体・連結式ポール2セット・収納袋・タイダウンベルト・ポールケース 画像出典:DVERG

  • 独自のテンション設計:ポール2本+ペグ4点で自立する構造そのもの。公式が最大の特徴と位置づける部分
  • 280cm連結式ポール × 2本:70cm×4本の連結式が2セット付属
  • 生地スペック:150Dリップストップ+PUコーティング(耐水圧4000mm以上)+裏面ブラックコーティング
  • タイダウンベルト:鉄製バックル4個を使った、テンション調整の要になる付属品

ただ、ひとつ気になったのは、付属ポールの材質と太さが公式サイトに載っていないことです。タープポールは一般に、軽くて錆びにくいアルミ合金か、重くても強度の高いスチールかで重さも価格も変わりますし、太いほど強度が上がるので、大型タープならメインポールはφ25mm以上が目安ともされています。

6.5m四方の幕を支えるポール2本は、この価格の中身のかなりの部分を占めているはずです。そこが分からないのは、値段とにらめっこしている身としてはちょっと痛い。実物を見る機会があれば、真っ先に確かめたいポイントです。

ポールが2本付いてくる点や生地・付属品の仕様を見ると、値付けの理由がまったく分からないわけではありません。ただ、それを「価格に見合う」と感じるかどうかは、やはり実際に使ってみないと判断が難しいところです。そして前述のとおり、ここに40cm級ペグの追加投資が乗ります。

最新の価格・在庫状況はこちらからご確認ください。

まとめ:欲しいものリストに入れて、様子を見ています

DVERG NEUKを調べてみて感じたことを、期待度メーターにまとめました。

期待度メーター

観点期待度理由
設営のラクさ◎ かなり期待通常時はペグ4点+ポール2本。ヘキサ型より少ない手数で立つ
見た目・カッコよさ◎ かなり期待ブラック単色に鋭角的なシルエット。個人的に好きな色味
アレンジ性○ やや期待ポールの連結本数で高さを3段階に変えられ、グロメットも6ヵ所
遮光・夏の快適性○ やや期待裏面ブラックコーティングによる遮光は公式が明記され、濃い日陰は期待できる。遮熱の記載はなく真夏の快適さの度合いは要検証
価格の納得感△ 要検証ポール2本付属など中身は濃いが¥46,200+ペグ別途。ポールの材質・太さは非公表で、見合うかは使ってから
サイトを選ばないか△ 要検証設営には8m四方ほど必要と思われ、区画サイトは事前確認が必須。約6.8kgでオート前提

惹かれるのは、なんといっても設営のラクさと見た目です。タープを立てるのがめんどくさい私にとって、ペグとポールだけで立つという構造は、それだけで持ち出す回数を変えてくれそうな期待があります。ブラック単色のシルエットも、素直にカッコいい。

一方で、足を止めているのはやはり価格です。¥46,200に加えてペグの追加投資。「欲しい。でも高い」という気持ちのまま、いまは欲しいものリストに入れて様子を見ています。どこかで実物を見られたら見てみたい。そう思っています。

同じように「タープの設営が面倒で足が遠のいている」方には、気になる一張りだと思います。判断の一助になれば幸いです。

※本記事は公式サイトおよび各メディアの公開情報をもとに作成しています。内容に誤りがあった場合はぜひご報告ください。