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出た当初は「こんなんいらんやろ」と思っていたコンテナを、結局買いました。TOKYO CRAFTSのギアバンカーです。

車をステップワゴンに乗り換えてから、コンテナを重ねて積む必要が出てきて、評価が一変しました。用途別のコンテナを考察した記事でも、「購入最有力枠」に置いていたコンテナです。

期待していたのは「重ねられる」「フレームがあるから地面にそのまま置ける」の2つです。3回以上キャンプに持っていった今、片方は期待どおりにはなりませんでした。もう片方は、1個しか買っていないのでまだ試せていません。

この記事では、公式が公開している開発の経緯も紹介しながら、実際に使ってわかったことをお伝えします。

キャンプ場でテントの前に置いたTOKYO CRAFTS ギアバンカー

TOKYO CRAFTS ギアバンカーの基本スペック

項目内容
製品名ギアバンカー
ブランドTOKYO CRAFTS(東京クラフト)
サイズ約37×53×32cm
重量約3.9kg
材質アルミニウム、ステンレス、600Dポリエステル
開閉上面・正面の2方向
スタッキング2段まで
仕切り中央に1枚(購入時から付いていました)
生産国中国

アルミのフレームの中に、600Dポリエステルのソフトケースが収まっている構造です。ソフトケースはフレームから取り外せません。

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「600D」のDはデニールのことで、糸の太さを表す単位です。数字が大きいほど生地は厚く丈夫になり、そのぶん重さとかさも増えます。

オートキャンプ用テントの生地が68D〜210Dあたりとされているので、600Dはかなり厚手の生地です。

購入の決め手は「重ねたい」と「TOKYO CRAFTSが好き」

きっかけは、車をステップワゴンに乗り換えたことです。積載性はぐんと上がったのですが、ソフトコンテナを重ねた上に荷物を乗せると、荷物が崩れてくるようになりました。

ギアバンカーに決めた理由は、コンテナ沼の記事に書いたとおりです。

  • 重ねられる
  • フレームがあるから地面にそのまま置きやすそう
  • ソフトとハードのいいとこ取り
  • 見た目が好み

あとは、私がTOKYO CRAFTSのファンだということもあります。テントもTOKYO CRAFTSのナイトローバー 2Pを使っています。

天板などが付いたセットもありますが、私は本体だけを単体で購入しました。

開封した第一印象は「予想どおり」

開封したTOKYO CRAFTS ギアバンカー。黒いアルミフレームの中にソフトケースが収まっている

大きさや生地の質感も、予想していたとおりでした。黒いアルミフレームが外側を囲む見た目がなかなかいい感じです。

公式のこだわりは、実際どうだったか

公式サイトの開発物語には、ギアバンカーがどう作られたかが詳しく書かれています。ここでは公式のこだわりと、私が実際に使ってみてどうだったかを並べていきます。

出発点は「重ねたまま取り出せる」こと

開発の出発点は「引き出しのように使えるコンテナを作れないか」という発想でした。コンテナは重ねると積載効率が上がる一方で、下の段の荷物を出すには上のコンテナをどかさないといけません。家具の引き出しのように、重ねたままでも中の道具にアクセスできるコンテナを目指したそうです。

既存のコンテナについては、次のように整理されています。

  • ハードコンテナ:頑丈で重ねやすいが、重い。輸送中にギアを傷つけてしまうことがある
  • ソフトコンテナ:軽くて扱いやすいが、重ねたときの安定感に課題がある
  • どちらも、重ねた状態では中身を出し入れしにくい

そこでたどり着いたのが、「外側はハード、内側はソフト」というハイブリッド構造です。

ギアバンカーの初期スケッチ。重ねた上段を引き出す様子が描かれている 画像出典:TOKYO CRAFTS「ギアバンカー開発物語」

外周をぐるっと囲むロの字型のアルミフレームは、形状だけでも25案以上を検討して決まったものです。強度を上げれば重くなり、軽くすれば重ねたときの安定感が落ちる。そのバランスを試作で確かめながら、形を詰めていきました。

フレームの試作を重ねている様子 画像出典:TOKYO CRAFTS「ギアバンカー開発物語」

フレームの役割は3つあります。

  • 重ねたときに荷重を分散して、コンテナ同士を安定させる
  • 持ち運ぶときのハンドルになる
  • 重ねた状態でコンテナを引き出すときに、レールの役目をする

実際は:この出発点である「重ねたまま取り出せる」使い方は、ギアバンカーを1個しか持っていないので、まだ試せていません。……と言いつつ、実は2個目もポチってしまいました。

扉は5カ所から2方向に絞った

初期の試作品は、扉が5カ所、ポケットが4個以上もありました。どこからでも出し入れできれば便利だろう、と機能を盛り込んでいった結果です。

ところが、機能を増やすほど重くなり、コストも上がり、構造も複雑になっていきます。そこで「何を加えるかではなく、何を残すか」という視点で見直し、よく使う上面と正面の2方向に絞り込みました。

上面と正面の両方を開けたところ

実際は:上と横(正面)は、どちらも使いました。

イスの近くに置いたときは、横から取ることが多かったです。イスから離れた場所に置いたときは、立ってギアを取りに行くことになるので、上から取っていました。

どちらからでも取れるのは良いのですが、横から取るなら、何をどこに入れるかを先に考えておかないと取りづらいかもしれません。

上部のステンレスパーツは、磁石がくっつく

フレームの上部にあるステンレスのパーツも、1つで何役もこなしています。重ねたときのロック、同じTOKYO CRAFTSの「コードユニット」と連結するための部品、持ち手、重ねたギアバンカーを引き出すときのガイドです。

初期案では、重ねるための部品とコードユニットにつなぐ部品は別々でした。部品が増えると重さもコストも上がるため、1つのパーツにまとめる形に切り替えています。

さらにこのステンレスは、あえて磁石がくっつく素材を選んでいます。同じTOKYO CRAFTSのマグリンクティッシュケースなど、ほかのギアと組み合わせられるようにするためです。

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ステンレスにも種類があり、標準的なSUS304は磁石がつかず、SUS430は磁石がつきます。

ギアバンカーの側面にマグリンクティッシュケースを付けた状態

実際は:ステンレスパーツには、ちゃんと磁石がくっつきます。私もマグリンクティッシュケースを付けています。キャンプ場に着いたらイスに付け替えて、帰るときはまたギアバンカーに付けて持ち帰る。この使い方がかなり便利です。

ソフトケースの側面に縫い付けられたベルトループ

両サイドにはベルトループもあるので、ほかの小物を付けておくのにも使えそうです。

収納部のヒントは「カメラバッグ」

収納部分のヒントになったのは、カメラバッグです。繊細な機材を守りながら運ぶための作りを、キャンプギアの収納に応用できないかと考えたそうです。

  • 表地:張りがあって丈夫な600Dポリエステル
  • 内部:衝撃を吸収するクッション材
  • 裏地:トイクロス(起毛素材)で、入れたギアが擦れにくい
  • 仕切り:自由にレイアウトを変えられる
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トイクロスは、ぬいぐるみやその服づくりに使われる手芸用の生地です。表面が起毛していて、切りっぱなしでもほつれにくいとされています。

仕切りの片側に寝袋、もう片側に調理器具などを入れた状態

実際は:中は付属の仕切りで2つに分けて使っています。

  • 片側:寝袋などの寝具
  • もう片側:調理器具、コンパクトテーブル、ランタンなど

底は「必要な場所だけを強くする」

約80cmからの落下試験のときの底面まわり 画像出典:TOKYO CRAFTS「ギアバンカー開発物語」

最後まで苦労したのは、軽さと強度の両立だったそうです。特に底面の構造は、約80cmの高さから斜めに落としても耐えられる強さが求められました。

  • アルミ板:軽いが、強度が足りない
  • 合板:繰り返しの衝撃で壊れやすく、雨の日に使うのも不安
  • 1mm厚のステンレス:落下試験をクリアできなかった

最終的には、2mm厚のステンレスを、荷重が集中する場所にだけ配置する形に落ち着きました。外周のフレームは軽いアルミ、つなぎ目や荷重がかかる場所はステンレス、収納部は600Dポリエステルと、素材ごとに役割を分けています。

実際は:3回以上キャンプに持っていって、今のところ傷やへたりは特にありません。長く使ったわけではないので、耐久性はまだ評価しづらいところです。

気になる点

荷物を入れると、底が地面に付いてしまう

一番残念だったのはここです。

「フレームがあるから地面にそのまま置ける」と期待していたのですが、置けませんでした。中に荷物を入れると、ソフトケースが下がってきて地面に触れてしまいます。

ギアバンカーを横から見たところ。フレームの間からソフトケースの底の部分が見える

ソフトケース部分は汚れに強い生地ではないため、地面に付くと困ります。

このままでは地面に置けないではないか!

私が持っているALBATREのマルチギアコンテナは、ターポリンという生地です。

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ターポリンは、ポリエステルの布をPVC(塩化ビニール)でコーティングした生地です。汚れは柔らかい布やスポンジで拭き取って手入れします。

今は、ソフトケースの底にプラ板を入れて、下がらないようにしようと考えているところです。まだ試してはいません。

外寸ほどは入らない

外側のフレームと中のソフトケースの二重構造なので、約37×53×32cmという寸法から想像するよりも、入る量は少し小さめです。

ただ、フレームとソフトケースの隙間は外から見えるので、買う前にわかることではあります。

良かった点

まずは見た目です。購入の決め手も、見た目と重ねられることでした。

使い勝手の面では、上からも横からも取れるところが良かったです。今のところ傷やへたりも特にありません。

総合採点

項目点数コメント
収納力・容量★4/5フレームとソフトケースの二重構造なので、寸法より入る量は少し小さめ。ただし見ればわかる
使いやすさ★4.5/5上と横が開くので使いやすい。底が地面に付いてしまうのでマイナス0.5
耐久性★4/5ソフトケースなので満点ではない。まだ長く使っていないので評価しづらい
コスパ★3.8/5微妙なところ。底が地面に付かなければ妥当と感じたかもしれない
デザイン★5/5見た目と、重ねられることで買った
総合★4.3/5見た目と2方向から取り出せる点は満足。底が地面に付く点が惜しい

最新の価格・在庫状況はこちらからご確認ください。

TOKYO CRAFTS ギアバンカー

まとめ

「こんなんいらんやろ」から始まって、コンテナ沼の記事で購入最有力枠に置き、結局買ったギアバンカー。期待していた2つのうち、「地面にそのまま置ける」は叶いませんでした。「重ねられる」は、1個しかないのでまだ試せていません。

それでも、置く場所に合わせて上からも横からも取り出せるのは便利です。黒いアルミフレームの見た目も気に入っています。コスパは微妙なところですが、見た目が好きなら値段に見合うと思います。

  • 向いている方:上からも横からも取り出したい方
  • 注意したい方:地面に直接置きたい方は、底の汚れ対策が必要です
  • 使うときの注意:横から取るなら、入れ方を先に考えておかないと取りづらいかもしれません

2個目もポチってしまったので、重ねたまま取り出す使い方を試すつもりです。地面に置けない今の状態も、底にプラ板を入れてなんとかしたいところ。

私のコンテナ沼は、まだもう少し続きそうです。